日本生態学会誌
Online ISSN : 2424-127X
Print ISSN : 0021-5007
ISSN-L : 0021-5007
特集2 始めよう!ベイズ推定によるデータ解析
簡単な例題で理解する空間統計モデル(<特集2>始めよう!ベイズ推定によるデータ解析)
久保 拓弥
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 59 巻 2 号 p. 187-196

詳細
抄録

観測データの背後にある生態学的なプロセスを特定するときに、データの空間構造に由来する空間的自己相関(空間相関)のある「場所差」はとりあつかいの難しい「ノイズ」である。空間相関のある「場所差」はrandom effectsとして統計モデルの中で表現するのがよい。近年よく使われているGLMMなど簡単な階層ベイズモデルでは空間相関のあるrandom effectsをうまくあつかえない。そこで空間相関をうまく表現できるintrinsic Gaussian CAR modelの概要を説明し、単純化した架空データから得られる推定結果を示す。また階層ベイズモデルが威力を発揮する、欠測のある観測データが与えられた状況での推定結果も示した。

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本生態学会
前の記事 次の記事
feedback
Top