観測データの背後にある生態学的なプロセスを特定するときに、データの空間構造に由来する空間的自己相関(空間相関)のある「場所差」はとりあつかいの難しい「ノイズ」である。空間相関のある「場所差」はrandom effectsとして統計モデルの中で表現するのがよい。近年よく使われているGLMMなど簡単な階層ベイズモデルでは空間相関のあるrandom effectsをうまくあつかえない。そこで空間相関をうまく表現できるintrinsic Gaussian CAR modelの概要を説明し、単純化した架空データから得られる推定結果を示す。また階層ベイズモデルが威力を発揮する、欠測のある観測データが与えられた状況での推定結果も示した。