島の生物地理学の理論によって導かれる予測のひとつは、共存できる種数が面積によって強く制限されるこどてある。そのため面積の異なる島間では群集組成に違いが生じやすい。この群集組成の違いは生物間相互作用の構造と強さに影響を及ぼすと予想される。そのため面積の異なる島間での比較は、拡散共進化の動態を知る上で有力な手がかりを提供するだろう。そこで本稿ではまず、関連する事例研究を簡単にレビューする。そのうえで著者らによる、カタツムリと陸産貝類専食性ヘビ類の共進化研究について紹介し、最後に今後の研究の方向性について議論する。