抄録
本稿では森林生態系における炭素と水の流れ(フラックス)を、コンポーネント、単木、生態系の各スケールで計測するための方法について解説する。フラックスは測定方法によって対象となる時空間スケールが異なるため、用途に応じた方法の選択が重要になる。一般に、小さいスケールでのフラックス測定はプロセスやメカニズムの解明に適しており、スケールが大きくなるほど代表値の評価に向いている。本特集のテーマである樹液流計測は時間的・空間的に多様なスケールのフラックスの評価に用いることができる方法であり、その技術の進歩は森林生態系における炭素・水循環過程のさらなる理解に役立つものと考えられる。