日本生態学会誌
Online ISSN : 2424-127X
Print ISSN : 0021-5007
ISSN-L : 0021-5007
特集1 再生可能エネルギー促進と生物多様性保全を考える
再生可能エネルギー事業のガバナンス
丸山 康司
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2024 年 74 巻 1 号 p. 61-

詳細
抄録
本稿の目的は、再生可能エネルギー事業による環境影響について、科学的不確実性と価値の多様性を踏まえた合意形成の方法を示すことである。理論的な整理の方法としてリスクガバナンスの考え方を応用した上で、事実認識と価値判断両方が一意に定まらない場合の合意形成手法として熟議の可能性をしめした。改正された「地球温暖化対策の推進に関する法律」で示されている実行計画とポジティブゾーニングの推奨がリスクガバナンス上も適切であることを示した上で、具体的な課題について検討した。生態学の専門家が貢献する方法として、生態系や生態系サービスについての知見を提供する以外にトレードオフへの対応やネイチャーポジティブの可能性について検討した。
著者関連情報
© 2024 一般社団法人 日本生態学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top