2015 年 27 巻 3 号 p. 91-98
本研究では、長期的な昼間の加湿処理がパプリカの葉の形態と光合成機能に及ぼす影響について調査し、VPD環境の違いが葉の形態を変化させるだけでなく、光合成機能にも影響する可能性があることが示唆された。また、これらの結果は、適切な湿度環境制御によってパプリカの生産性向上が可能であることを示唆していた。ただし、本研究では、収穫量の増大や品質の向上といった生産性向上に直結する湿度環境制御の指針は得られていない。これについては、今後も引き続き研究を進める必要がある。なお、植物の長期的な環境応答には、短期的な環境応答の蓄積や季節による違いが想定されるため、植物生体情報を継続して数値評価する技術の活用が必要不可欠であると考えられる