Eco-Engineering
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原著論文
高軒高温室における夜間気温および養液濃度の違いがパプリカの生育と収量に及ぼす影響
橋田 祐二高橋 昭彦高橋 憲子仁科 弘重高山 弘太郎
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2016 年 28 巻 2 号 p. 29-36

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抄録

本研究では、低日射・低温期(10 月下旬~2 月下旬)において、日没直後の低夜温時間帯の延長による低夜温処理と高濃度養液の給液処理がパプリカの生育と収量に及ぼす影響を解析した。その結果、冬至を境に低夜温処理と高濃度処理の影響の程度が変化することを確認した。冬至以前は、茎伸長速度と節形成速度が低夜温処理によって低下するが、冬至以後は、茎伸長速度が高濃度処理によって低下し、節形成速度は低夜温処理および高濃度処理の影響を受けないことが示された。また、冬至の前後にかかわらず低夜温処理と高濃度処理が葉の光合成機能、着果数および果実乾物重に及ぼす影響が小さいことが分かった。また、高濃度処理は、吸水を阻害することで葉面積を減少させ、同時に果実肥大も抑制するため、収量を減少させる可能性が示唆された。このとき、夜間気温は収量に影響を及ぼさないことも分かった。 パプリカのハイワイヤー誘引栽培では、茎長が温室軒高に達した時点で栽培を打ち切る必要があるため、茎伸長速度を抑制する技術が求められている。本研究では茎伸長の抑制に効果的な環境設定について、1st period には低夜温+高濃度(L-H)とし、2nd period には標準夜温+高濃度(C-H)とすることが望ましいことを示した。 ただし、節形成密度を増大させるための環境調節技術については、本研究で制御対象としなかった環境要因も含めてさらに検討を進める必要がある。また、本研究で対象とした期間は低日射・低温期に限られているので、パプリカの環境応答を把握するためには低温期以外の時期についても研究を進める必要がある。

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© 2016 生態工学会
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