繊維製品消費科学
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バッグの種類と携行方法が若年女性の姿勢に及ぼす影響
加藤 千穂石原 久代上甲 恭平
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2020 年 61 巻 12 号 p. 837-848

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抄録

本報では若年女性の姿勢に影響する要因を検討するために,バッグ携行時の立位姿勢について分析した.バッグに関する現状調査より,バッグの種類と携行方法はリュックサック(バックパック)が両肩かけ,ショルダーバッグが肩かけ(右・左),斜めかけ(右・左),トートバッグが肩かけ(右・左),腕かけ(右・左)とし,総重量はすべて1.0kg,3.5kg,6.0kg とした.若年女性10 人を被験者とし,バッグ携行時および不所持時の正面と側面の立位写真を撮影し,8 項目の角度計測と分析を行った.その結果,リュックサック携行時は側面の傾きが減少傾向にあった.バッグの種類に関係なく,肩にかける場合はかけた側の肩が上がり,腕にかける場合はかけた側の肩が下がり,総重量が重いほどその傾向は高かった.実験直後の痛みや傾き感のアンケート結果から,6.0kg のトートバッグの腕かけは持ち手が腕にくい込み重いと評価され,リュックサックは他のバッグより痛さ等の負担が少ないことが示唆された.

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© 2020 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
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