繊維製品消費科学
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風呂の残り湯使用による洗たくに関する検討
―布地白度に及ぼす影響―
近藤 邦成鈴木 益太郎緒方 忠宮本 静枝
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1971 年 12 巻 8 号 p. 295-299

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抄録

「洗たくに関する実態調査結果」から, 洗たくに風呂の残り湯を利用している家庭はかなり多いことが知られている.しかし, 風呂の残り湯を使用した場合, 残り湯の汚垢が再汚染することも考えられるので, 消費科学的見地から本実験を行った.
成年男子5人を入浴させた風呂の残り湯を用い, 同温度の水道水を対照として, 綿, アセテート, ナイロン, ポリエステル, アクリル, ビニロン, ポリプロピレンの7種類の白布について繰返し10回洗たくを行い, 再汚染の程度を調べた.その結果, 残り湯中の汚垢は, いずれの繊維にも白度低下が認められるほど再汚染しなかった.また, 着用汚垢の存在する系においても, 着用汚垢による風呂の残り湯, 水道水間に仕上り白度の差は認められなかった.
更に衛生学的指標としての大腸菌群測定においては, 風呂の残り湯中にはかなり認められたが, 洗たく乾燥試布には大腸菌群は認められなかった.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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