2002 年 43 巻 11 号 p. 697-706
第1報では流行に関心のある男子大学生の特性を明らかにした.第2報では流行に関心がある男子大学生における流行に対してどのような期待をしているのかを明らかにした.
本研究の目的は流行に関心がある男子大学生が, 流行を受け入れるときにどのような条件を満たしているのを明らかにすることである.流行している品目を第1報と同様に「ブランドに関する項目」, 「日常生活に関する項目」そして「情報収集に関する項目」の3つを使用した.最初に「流行を受け入れる, 受け入れない」を外的基準として数量化II類を用いた.その結果, 「恋人」や「友人」という親しい人々に薦められた場合, 流行を受け入れやすくなることが明らかになった.次に, 「恋人」や「友人」に薦められると流行を受け入れる男子大学生の流行を受け入れる条件を調べた.その結果, 3つの要因が特徴として考えられた.第1因子は汎用と限定, 第2因子は変化と恒常, 第3因子は装飾と機能であった.すなわち, 「恋人」や「友人」に, 薦められたら場合, 流行を取り入れる男子大学生にとっての流行を受け入れる条件となるのは, 汎用, 変化, 装飾を重視することなのである.