繊維製品消費科学
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袖に発生するしわの一般的パターン
伊藤 海織今岡 春樹
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2006 年 47 巻 7 号 p. 414-423

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抄録
袖のしわと腕を幾何学的に表すモデルとして, 円筒と芯になる円柱を設定し, 円筒を圧縮することによって生じるしわの形態変化を明らかにした.
従来この分野では, 二等辺三角形で構成される吉村パターンについて研究されてきたが, 三角形から台形を切り出して吉村パターンを一般化した.一般化した吉村パターンでは, 圧縮時の形状が幾何学的に定まらないため, 弾性エネルギーを導入し, エネルギーの低い形状が生じやすいとした.
吉村パターンは圧縮率が15%までの範囲で生じた.円筒と芯との空隙率が小さくなるほど, 一般化した吉村パターンが生じやすくなった.圧縮率増加に伴う円筒の形態変化は4段階に分かれた.第1段階では吉村パターンが生じ, 円筒と芯との隙間が狭まり, ノード数が急激に減少した.第2段階でも吉村パターンが生じたが, 円筒と芯は接していて, ノード数は不変だった.第3段階では一般化した吉村パターンが生じ, 円筒と芯は接していて, ノード数が少し減少した.第4段階でも一般化した吉村パターンが生じ, 円筒と芯は接していて, ノード数はあまり変化しなかった.
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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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