厳寒地に適用することを主目的として,積雪の鉛直1次元モデルを開発した.このモデルは気象データを入力して,積雪の温度,密度,含水量の鉛直分布を計算するものである.モデルは積雪を等間隔に切った単純な構造をもち,液体水の流下やアルベードは非常に簡単な扱いになっている.厳寒地でよく見られるしもざらめ雪を考慮するために,有効温度勾配を導入した.これにより熱伝導率や圧縮粘性係数のしもざらめ化による変化を取り入れた.また,降雪と降雨の比は湿球温度の関数として与えた.モデルの検証として,札幌と北海道東部のアメダス観測点でのひと冬通してのシミュレションを行った.札幌の計算では積雪深,積雪水量,雪温・密度の鉛直分布をほぼ再現できた.北海道東部では,積雪がしもざらめ化していく様子を計算できた.