J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

雪氷
Vol. 62 (2000) No. 3 P 265-277

記事言語:

http://doi.org/10.5331/seppyo.62.265


1996年3月, 北海道内にて積雪表層のサンプリングを行ない, 放射冷却時の酸素同位体比 (δ18O) とイオン濃度の変化を測定した.観測結果からは, 夜間は表面霜としもざらめ雪が発達して積雪表層のδ18Oが減少し, これに対して昇華蒸発の卓越する日中はδ18Oが増加する傾向がみられた.観測期間中のある晩のイオン濃度と昇華量の測定データから積雪表層での質量収支を計算した結果, 表面霜のδ18Oは積雪表層のそれより相対的に6‰ほど小さかったのに対し, しもざらめ雪のδ18Oは誤差の範囲で周囲とほとんど変わらなかった.
一方, 積雪試料に約90℃m-1の温度勾配を11日間かけてしもざらめ雪を実験的に作り, その安定同位体比 (δDとδ18O) の変化量を求めた.その結果, 試料の高温側ではδ値が増加, 低温側では減少した.δD-δ18Oダイヤグラムの傾きは2.4から3.1と小さい値をとり, 氷の昇華現象においても動的同位体効果に支配されていることを示した.

Copyright © 公益社団法人 日本雪氷学会

記事ツール

この記事を共有