雪氷
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Print ISSN : 0373-1006
過去50年間にわたる南極リュツォ・ホルム湾定着氷の変動
牛尾 収輝若林 裕之西尾 文彦
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キーワード: 南極, 海氷, 定着氷, 氷河浮氷舌
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2006 年 68 巻 4 号 p. 299-305

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抄録

1990年代後半から2005年までの間,南極リュツォ・ホルム湾では沿岸定着氷の崩壊・流出が頻繁に観測されている.南極沿岸海氷の変動特性を把握するために,同湾で生じる海氷流出の履歴に着目して衛星画像を解析した.その結果,流出発生の有無,つまり海氷の安定/不安定は数年間ずつ続いていること,それらの発現時期は海氷上積雪深や地上気温・風系の年々変化の傾向と符合していることが見出された.また,同湾南端に流れ込む白瀬氷河の浮氷舌の動態を加えて,過去50年間の沿岸定着氷の変動を推定したところ,1980年代初期以降の約25年間は不安定で,それ以前に長期間続いた安定な氷状と顕著に異なることがわかった.
南極リュツォ・ホルム湾の沿岸定着氷の変動を解析した結果,以下のことがわかった.

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