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環境科学会誌
Vol. 23 (2010) No. 6 P 447-458

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http://doi.org/10.11353/sesj.23.447

一般論文

消費者の環境配慮行動の指針となる情報を提供するために,消費者にとって身近であり,なおかつ,利用形態によって環境負荷物質排出量が変化しうるものとして飲料水をとりあげ,ライフサイクル評価を用いたシナリオ分析を行った。まず,利用する飲料水は水道水かペットボトル飲料水か,ペットボトル飲料水を消費した後に空になったペットボトル容器をどのように処分するのか,などといった消費者が実行しうる飲料水の利用形態によって異なる要素を列挙した。併存しない要素同士を,「飲料水の生産・流通」「水質改善処理/飲料水の販売」「飲料水の保存」「飲用容器の使用」「ペットボトルの処分」という5つのステージに分類した。各ステージから1つずつ要素を選択し,モジュールとして組み合わせることにより,飲料水の利用形態を消費者視点の「飲料水利用シナリオ」として可視化した。次に,飲料水利用シナリオにて利用される5種類の飲料水(水道水,国産500mLペットボトル飲料水,輸入500mLペットボトル飲料水,国産2000mLペットボトル飲料水,輸入1500mLペットボトル飲料水)および3種類の飲用容器(ガラスコップ,水筒,ペットボトル)を対象として,ライフサイクル評価を行った。評価項目は二酸化炭素(CO2),メタン(CH4),および亜酸化窒素(N2O)の3種類の温室効果ガスとした。機能単位を任意の体積の飲料水の消費とし,積み上げ法を用いてモジュールごとに温室効果ガス排出量を算出することにより,各モジュールの温室効果ガス排出量を飲料水の体積の関数として表し,さまざまなシナリオにおける任意の体積の飲料水利用に伴う温室効果ガス排出量の評価を可能とした。さらに,この評価結果を用いて,特定の状況や嗜好を持った消費者へ提供する情報とするため,それらに合致したシナリオを抽出し,温室効果ガス排出量を比較した。

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