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環境科学会誌
Vol. 25 (2012) No. 2 p. 95-105

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http://doi.org/10.11353/sesj.25.95

一般論文

環境負荷削減の必要性や埋立地の不足を背景として廃棄物発生量の削減が求められている一方で,持続可能な消費という観点からは,家庭からの廃棄物発生量という消費者の目に見える断面での環境負荷だけでなく,製品の製造段階や廃棄段階を含めたライフサイクルの観点から,温室効果ガスなどの環境負荷も評価する必要がある。本研究では,家庭における廃棄物発生抑制行動として,洗剤容器(洗剤ボトルの使い捨てから詰め替え容器への変化),ご飯(ラップなどを用いた再加熱から炊飯器保温への変化)など5つの消費行動の変化を対象として,ライフサイクル評価(LCA)によって,各代替行動における温室効果ガス排出量,酸性化ガス排出量,化石資源消費量および最終処分量を評価し,それぞれにおける家庭からの廃棄物発生量との関係を議論した。代替行動の設定においては,単なる環境負荷の製品間比較ではなく,消費者の視点から同等の機能を持つように,各選択肢の基本的な機能単位を一致させた。評価結果から,温室効果ガス排出量と酸性化ガス排出量,化石資源消費量に関しては代替行動間の大小関係に同様の傾向が見られる一方で,洗剤容器を除く全ての消費行動において,家庭からの廃棄物発生量は,温室効果ガス排出量などの環境負荷とは代替行動間の大小関係が一致しない場合があることが明らかになった。このことから,廃棄物発生抑制行動を促進する場合には,それがライフサイクルでの環境負荷の削減にも貢献しうるものかどうか,定量的に確認することが求められることが示された。一方で,代替行動間で利用する製品の素材が同じ種類であることや,エネルギーを使用する代替行動ではないことといった条件のもとでは,家庭からの廃棄物発生量をライフサイクルでの環境負荷のベンチマークとして用いることには一定の意義があることも示唆された。

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