環境科学会誌
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研究資料
エネルギー問題に対する世論調査の変遷
-東日本大震災前50年間について-
加藤 尊秋
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2013 年 26 巻 6 号 p. 477-488

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抄録
現在,原子力発電の扱いなどに関し,新たなエネルギー政策を作り上げるために世論を知る必要性が高まっている。政策作りに際し,世論の特徴をよく理解する必要があり,このためには,エネルギー問題に対する過去の世論動向を分析することが一定の役割を果たすと思われる。しかしながら,原子力を除くとこのような文献は限られ,今後の研究展開が待たれる。そこで本稿は,第一に,全国規模の世論調査の中でエネルギー関係の話題がどのように扱われてきたか,東日本大震災前の50年間について変遷をたどった。第二に,時系列上での世論比較に役立つと思われる世論調査を整理した。本稿は,これらの点を通じて今後の世論研究に役立つ研究資料の提供を目指す。本稿では,日本政府が集約した世論調査関係の資料,また,学術機関が運営する3つのデータベースをもとに,1961年度から2010年度の間に行われた全国規模(調査対象者1,000人以上)の世論調査を可能な限り収集した。この結果,エネルギーに関わる質問を含む339件の調査が見いだされ,このうち313件について調査票を収集できた。これらを整理し,エネルギーに関わる調査の世論調査全体に対する位置づけや,エネルギーに関わる質問内容の変遷を明らかにした。また,内閣府(旧総理府)および新聞社による世論調査に関し,2年間以上の期間にわたり世論を追跡可能と思われる質問を網羅的に抽出した。さらに,東日本大震災前後での世論の比較に役立てるために,同震災前の2年間に各種機関が行ったエネルギーに関わる質問の内容を整理した。
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© 2013 社団法人 環境科学会
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