2020 年 33 巻 1 号 p. 1-10
持続可能社会への転換について,広く社会的支持を得ることが必要である。多数の市民を対象とするweb調査のデータを用いて,持続可能な移動手段の優遇政策に対する市民の賛否と理由および政策選択に対する考え方や日常的な道徳観との関係を分析し,賛否の状況や特徴を明らかにするとともに,持続可能な政策への支持を増やすために多様な道徳観に応じた働きかけを行うこと等を提案した。具体的には,自分の損得を気にする人には政策が自分の生活に関係することを伝えるとともに遵法意識を気にする人には政策の詳細を伝えること,多様な市民が参加する政策選択の機会を積み重ねることでまちの将来は市民がみんなで決めるものという参加意識を底上げすることが挙げられる。