環境科学会誌
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地域ゼロエミッションをめざした産業ネットワーク設計支援ツールの開発
後藤 尚弘迫田 章義
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2001 年 14 巻 2 号 p. 199-210

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抄録

 地域ゼロエミッションを実現するには、資源の有効利用と環境負荷物質最小化のために地域における人間・産業活動の物質フローを最適化することが必要である。そのために、ある産業から発生した未利用物質を他の産業で有効利用する産業ネットワークの構築が欠かせない。しかしながら、従来の未利用物質ごとにネットワーク先を検索し、それらを地域全体に積み上げる手法は多大な労力がかかる。本研究では地域の全産業から発生する未利用物質の産業ネットワークを簡易に設計するツールを開発した。同ツールは、まず、統計資料からの地域の物質フローを推計する。さらに、その推計を用いて、各産業の未利用物質及び産出物質の特性を比較すること、各産業が未利用物質中の受入不可能な成分を考慮すること、各産業の受入可能な未利用物質の排出形態を考慮することにより産業ネットワークの候補を検索するものである。さらに、同ツールはネットワーク構築による未利用物質最終'処分削減量を推計することができる。本研究において開発した手法による産業ネットワーク設計結果が、現状の再資源化を含んでいたことから、本手法が、ネットワーク先の産業を選び出すスクリーニングに適用できることが示された。さらに、本ツールを愛知県に適応することにより地域ゼロエミッションの可能性を示唆することができた。

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