J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

環境科学会誌
Vol. 20 (2007) No. 6 P 435-448

記事言語:

http://doi.org/10.11353/sesj1988.20.435


 本論文では,社会全体の資源配分の効率性の観点から,環境影響や市民生活への影響といった多側面の影響に対する利害関係者の選好を考慮した,CBA(費用便益分析)に基づいた統合的評価の手法を提案し,評価結果を公共的な意思決定のプロセスに反映させることの意義について考察した。提案した手法の特徴は,多側面の影響が貨幣単位の単一指標に統合化されること,および影響項目の貨幣換算にそれぞれの利害関係者の選好が反映されることである。地域的な影響項目は地域住民を評価主体としてコンジョイント分析を用いて貨幣換算され,地球規模の影響項目はEPSの評価値を用いて貨幣換算される。 川崎市の一般廃棄物処理システムを対象としたケーススタディでは,容器包装プラスチックの分別収集とリサイクルに着目して,3つの案が比較評価された。統合的評価の結果,分別収集を実施すること自体の社会的便益を含めた場合,容器包装プラスチックを分別収集して直接埋立する案か,分別収集してリサイクル(高炉原料化)する案が望ましいと言えた。どちらが望ましいかは,ごみの混入率に依存した。分別収集を実施すること自体の社会的便益を除外した場合には,容器包装プラスチックを含む可燃ごみと不燃ごみを混合収集して全量を焼却処理する現状維持案が最も望ましい案であると言えた。

Copyright © 環境科学会

記事ツール

この記事を共有