尚絅学園研究紀要 A.人文・社会科学編
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〈論文〉
英語教室における「シャイネス」の克服について
ノーマン ジョシュ
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2012 年 6 巻 p. 1-18

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抄録

本論では、日本人の学生がネイティブスピーカーによる英語の授業で、積極的に参加しようとしない理由を探る。その主な理由のひとつに、日本人はHofstede(1991)が「不確実性回避(Uncertainty Avoidance)」と呼ぶ特性のレベルが高いことが挙げられる。筆者が二つの大学で行ったアンケート調査(n=275)の結果を見ると、回答者の85%が自分のことをややシャイ、あるいはとてもシャイだと考えている。英語を話すときにこのように感じる割合は、もっと高くなる(92%)。こうした回答にマトリクス照合検査を用いて分析を加えたところ、44%の学生が英語を話すときの方がよりシャイになると答えたのに対して、より積極的になると答えたのは8%にすぎなかった。さらに、回答者の半数以上(57%)が、ネイティブスピーカーによる英語の授業で、質問の答えが分かっていても答えないことがよくある、または、時々あると答えている。その理由の上位三つはいずれも「不確実性回避」に関係している。こうした調査結果は、英語の授業で、学生に自信を持たせてもっと積極的に参加させる必要がある、ということを示唆している。学生が「不確実性回避」を克服する助けとなり得る方法も併せて提案し検討したい。

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© 2012 学校法人尚絅学園 尚絅学園研究紀要編集委員会
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