尚絅学園研究紀要 B.自然科学編
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調理実習室の洗浄用スポンジの衛生管理(第2報)
上田 勝野崎 英里
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2011 年 5 巻 p. 1-9

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抄録

前報では次亜塩素酸ナトリウム溶液の有効塩素濃度を確立するために用いた試験菌液は純粋に培養し保存された大腸菌(Escherichia coli IFO 3301 ; 大阪発酵研究所保存番号)であった。今回はより実践的な有効濃度を確立するために調理実習室や家庭で実際に使用されている洗浄用スポンジの浸出液中に存在する大腸菌群細菌や一般細菌を試料とした。その結果,次亜塩素酸ナトリウム溶液の有効塩素濃度は前回の2.5 ppm,5分間の殺菌条件に比べて,スポンジによっては20〜50 ppm の,より高濃度が必要であることが分かった。洗浄用スポンジによっては食べ物中の油脂や残渣,また食器用洗剤などが混在しておりこれが消毒薬の効果を減弱させる要因ではないかと考えられた。

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© 2011 学校法人尚絅学園 尚絅学園研究紀要編集委員会
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