1994 年 1 巻 1 号 p. 33-44
今回我々は, JTバレーボール部に所属する男性10名 (平均年齢24.7歳) , 及び湧永製薬ハンドボール部に所属する男性10名 (平均年齢25.3歳) を用いて, バレーボールのスパイク時ないしハンドボールのシュート時における咀嚼筋の活動様相をテレメータにより記録分析するとともに, 記録された咀嚼筋の活動様相とスパイク・フォー・ムないしシュート・フォームとの関連性について分析した.その結果, スパイク時及びシュート時における明らかな咀嚼筋筋活動の発現が被験者全員に認められた.しかも, 運動動作の強弱に同調して, 咀嚼筋筋活動も変化した.これらのことから, バレーボールのスパイク動作及びハンドボールのシュート動作と咀嚼筋機能との間には密接な関連があることが明らかとなり, スポーツにおける全身運動に咀嚼筋が関与している可能性が示された.