抄録
本報告は,土壌中に垂直に埋設された複数管に関する熱特性を把握する前段階として,端部や地表面の影響を考慮した単管の管壁温度を線源理論から推定する方法を述べている.まず線源から管壁温度を求めるための限界フーリエ数が10以上であることを確認し,半無限固体中の有限線源を用いて仮想の管壁位置における垂直温度分布を導き,深さ方向の平均温度を求める式と計算図表を示し,各種要因との関係を明らかにした.次に簡易手法として,管半径に補正係数を乗じることで平均温度と等しい応答を示す等価半径を用いる計算方法を示した.定常状態の補正係数は1.57,周期入力では管長30m以上で1.0,ステップ入力ではその中間の値であった.