広域熱電併給システムについて,熱供給の温度レベルに関する基礎的検討を行った.評価指標を定義し,エンタルピーとエクセルギーの両面から検討した.熱電併給プラントの総合効率は,背圧型蒸気タービンを用いた場合熱供給温度の影響をあまり受けないが,抽気型で同熱電比の場合熱供給温度を上昇させると低下する.エクセルギー的には背圧,抽気型ともに熱供給温度の上昇に対して総合効率は微増するかほとんど変わらない.従来の個別専用方式に対する一次エネルギー削減率は,熱電併給プラント出力段階では熱供給温度を低くするほど増大する.しかし,熱輸送に伴う搬送動力と配管熱損失を考慮すると,熱供給温度に最適点が存在することがわかった.