本論文では,地下熱利用のための基礎資料の作成を目的として,自然気候下における地中温度の長期測定と地中温度予測プログラムによる解析を行った.まず,1994年に敷設した地中温度測定基地における約2年間の時間変動の整理を行い,測定地点における不易層温度が約10.3℃であることを示した.次に,積雪寒冷地に適用し得る地中温度予測プログラムを作成し,測定値との比較を行った結果,本プログラムが地中温度,積雪深の変動をよく再現することを示した.さらに,国内の主要都市に対して,本プログラムを適用した結果,札幌以外の都市においても,本モデルが有効であることを示した.