空気調和・衛生工学会 論文集
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多種トレーサガス法に基づく多数室換気量の算定 : 第2報-妥当な換気量を得るためのガス供給法と算定法の課題
絵内 正道荒谷 登Chia-yu SHAW梶井 浩史James T. REARDON福島 史幸
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1999 年 24 巻 72 号 p. 117-127

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抄録
最近,北海道の木造住宅は気密性能の向上が著しく,冷外気を床下空間に導入して予熱を行う冬期のパッシブ換気,あるいは吹抜け空間の最上部を開放し,外気冷房を目的にした夏期の熱対流型換気の提案が行われている.これらの換気計画に際し,空気質に直接的にかかわってくる換気の経路や室間換気量の実体把握がますます重要になってきている.多数室の室間換気量を測定する際に,解析対象空間ごとに異なったトレーサガスを供給する多種トレーサガス法を用いると,同時刻の測定解析が容易になり,換気量の変動現象を検討対象にすることも可能と言われている.しかし,多種トレーサガス法を適用するにあたり,瞬時一様拡散を仮定したガス濃度収支式に対して,妥当な算定時間帯をどのように選択し,どのような時間間隔で算定するかという解法上の問題ばかりでなく,トレーサガスをどのように解析対象空間に供給するかという供給法に関する懸案事項も残されている.本報告では,第1報の濃度変動の解析解と妥当な算定時刻の後を受けて,微分表現や積分表現,微分表現に基づく最小二乗法による解法などの算定上の課題やガス供給法の影響について言及している.
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© 1999 公益社団法人 空気調和・衛生工学会
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