2001 年 26 巻 83 号 p. 81-90
本研究はオフィスビルを対象とし、中間期における自然換気併用ハイブリッド空調方式の省エネルギー効果と室内環境特性を明らかにし、その設計資料を得ることを目的としている。自然換気併用ハイブリッド空調方式は、自然通風と一般空調方式を併用して、室内温熱・空気質環境の向上と自然通風の利用による空調エネルギーの削減を目的とする空調方式である。本報では、まずその基礎検討として利用可能な自然換気の条件を整理し、モデル建物においてその利用可能な自然換気量を予測する。さらに、タスク&アンビエント空調の概念に基づき、タスク域の平均温度が空調目標温度(26℃)となるよう空調制御を行った上で、外気の温・湿度と流入風量の変化、また自然換気口の大きさの変化による室内環境や空調投入熱量を3次元CFD解析により検討する。検討の結果、室温に比べ低温の自然換気が負の浮力により室内下部のタスク域を効率よくカバーし、省エネルギー的にタスク領域の空調が行い得ることが示された。