2006 年 31 巻 111 号 p. 43-51
本報は土壌熱源ヒートポンプシステム設計・性能予測ツールの開発に関する研究の第2報として、複数埋設管への設計・性能予測ツールの拡張手法について報告する。まず、複数埋設管の高速演算手法について提案する。次に、本演算手法によって計算した温度応答を従来の無限円筒の理論解の重ね合わせと比較して、本演算手法がツールとして用いることのできる精度を満足していることを確認した。さらには、複数埋設管の例として、基礎杭を地中熱交換器として用いる際には、埋設管の口径が大きく、長さが短い場合がある。その際には、端部の影響が無視できないものとなるため、その埋設管表面の平均温度を算出するための補正係数を求めて、その計算結果と補正係数を用いない場合との比較を行った。