2006 年 31 巻 114 号 p. 1-9
大規模建物ではVAVユニットの設置台数が多く,その動作点検には多くの労力と時間が必要となる.この削減を目指して,データバスで簡単に収集できる各ユニットの室温センサの信号と開度要求信号を用いて,自動的にVAVユニットの不具合を検知・診断する手法を開発した.本研究では,室温が定常である時の運転データを用いる手法と,空調起動時の動的な運転データを用いる手法を,実際に不具合が頻発しているシステムの空調運転データに適用してその有効性を検証した.その結果,本手法は対象となる点検ユニット数を全台数の10〜20%に絞り込むことができ,点検に要する労力を80〜90%削減できることが判った.