2011 年 36 巻 171 号 p. 1-7
本論文は,水素吸蔵合金と空気熱交換式容器を用いた水素貯蔵システムに関する一連の研究の第3報であり,改質器で生成した水素を貯蔵・供給し,燃料電池コージェネレーションの起動エネルギー,負荷追従エネルギーを削減するパッシブ型水素貯蔵システムの省エネルギー効果と電力負荷追従用としての導入可能性の評価を行ったものである.まず,戸建て住宅に本システムを導入した場合,一次エネルギー削減効果が向上することを示した.また,水素貯蔵システムの必要合金量は数kgから最大でも15kg程度で,エネルギー密度,耐久性,イニシャルコストの面でも蓄電池と比較して有効であり,住宅コージェネレーションシステム用として導入可能性が高いことが示唆された.