2014 年 39 巻 207 号 p. 9-17
CFD解析に膨大な計算時間を要する理由として、連続条件(質量保存則)を満足させつつ、流れ場を推定しなければならないというCFD解析の解法上の問題に起因する。本報では、CFD解析の流れ場の計算頻度を制限した非定常CFD解析の計算負荷削減手法を提案し、定風量空調を導入したオフィスを対象に、同手法の有効性の検証を行った。連成間隔や計算時間間隔を大きくするほど、予測精度は低下するものの、本手法によって計算時間を短縮しつつ、室内温熱環境の挙動を十分な精度で再現可能であることを示した。長期レベルの計算負荷低減手法を用いることで、非定常CFD解析による年間評価が可能であることが示唆された。