抄録
大学キャンパスにおけるエネルギー消費の大部分は空調関連分野であり,省エネルギー化に向けて重点的に管理しなければならない。空調方式の中でも個別分散空調機は近年採用が増えているが,その運用実態は明らかにされておらず,設計・運用において合理的な検討を行うことができていない。以前,東京大学で個別分散空調機の運用実態調査を行ったところ,設備容量が過大であり,かつ低負荷率の運転が効率低下を引き起こしている実態が明らかとなった。そこで,過大容量を是正するために独自の容量選定基準を定めて改修を行った建物に対して実測調査を行い,機器選定の考え方とより省エネ化を図るための運用について検討したので報告する。