空気調和・衛生工学会 論文集
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太陽光発電システムが設置された中規模事務所建物の防災拠点化に関する調査研究 : 第1報-年間の太陽光発電量と電力使用量に関する基礎調査
飯嶋 航平西川 豊宏
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2016 年 41 巻 226 号 p. 13-20

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抄録

2011年3月に発生した東日本大震災では、想定を大きく超える地震や津波が発生し、多くの地域で甚大な被害を引き起こした。この震災を契機に、災害に強く、かつクリーンな社会システムの構築が急務とされている。本研究は、中規模事務所建物を対象とし、震災後に導入された太陽光発電システムの省エネルギー性や災害時の電力自立性を評価し、防災拠点としての活用条件や、地域貢献について検証するものである。本報では、評価建物の太陽光発電量による平常時での電力削減効果と各階の季節別の電灯・コンセント負荷について調査を行った。その結果、年間の太陽光発電量55.7MW・hは、53.5MW・hが空調動力負荷、電灯・コンセント負荷に有効利用され、電力使用量の20.9%の削減に寄与しており、評価建物の基礎的な電力使用特性が明らかになった。

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© 2016 公益社団法人 空気調和・衛生工学会
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