2017 年 42 巻 248 号 p. 1-9
帯水層を利用した蓄熱空調システムは,建物で発生する冷温排熱を帯水層に蓄熱して利用することで省エネルギー効果が期待できる。本研究では,汎用のシミュレーションツール(Dymola)を用いてモデルを作成し,シミュレーションにより本システムの導入効果と運用方法(冬期の蓄熱温度や夏期の蓄熱分の利用方法)が省エネルギー効果に及ぼす影響について検討した。従来システムのケースと,帯水層蓄熱の運用方法を変化させた3 ケースについて検討した結果,冬期に13℃で蓄熱して夏期に熱源水利用をするケースが年間を通じて最も省エネルギーであり,従来システムに対して熱源機の消費電力を30.9%削減できることを示した。