2017 年 42 巻 248 号 p. 11-19
BEMSの普及により,熱源・空調システムの運転の実態データが詳細に把握可能となり,運用時の無駄と,さらなる省エネルギー化の余地が明らかになってきた。本研究では,外気条件や負荷条件に合わせて適切な運転を行う最適制御技術の確立を目的とする。 本報では,エネルギーシミュレーションツールを用いて,冷却水温度などの設定値を変化させたときのエネルギー消費量の傾向を把握し,冷却水温度の最適な設定値と外気湿球温度の関係式を導出した。また,導出した関係式を用いた制御を実システムに導入し,実証実験によって,従来の制御方法に対する有効性を確認した。