2018 年 43 巻 261 号 p. 11-20
環境配慮型建築の達成には,先ず確固たる建設計画コンセプトと具体的な数値目標ならびに要求性能の設定を行い,計画から施工・運用まで一貫したマネジメント体制を設け,目標や要求性能を運用段階に至るまで伝達することが重要と考えられる。本研究では,新たなマネジメント手法として,計画時から段階に応じたマネジメント体制作りと実行手法を提案するとともに,そのためのマネジメントツールとしてBEMSデータとシミュレーションモデルを活用した資源・エネルギーマネジメントシステムの構築を行った。そして,この手法を実際の病院施設に適用し,エネルギーの他に給水,給湯,雑用水といった資源を用途別部門別に把握するマネジメントシステムを構築するとともに,運用開始後の省エネルギー・節水の達成状況の検証を行って,この手法の有効性を評価した。