近年データセンターは社会生活の重要なインフラの一つとなっており,重要性や需要が高まるにつれて継続的な運用(信頼性)や更なる省エネ性に関するニーズも高ま っている。本研究は,サーバルームにおいて収集した空調機・各ラックの消費電力・ラック吸気温度のデータと機械学習及び物理モデルを用い温度環境の適正な運用・管理を支援することを目的とする。本報では,近年の高発熱密度サーバの搭載や仮想化技術の導入等により時間的にも空間的にも温度環境が変化するサーバルームを対象とし,機械学習及び物理式を組み合わせた予測モデルにより各ラックの吸気温度予測を試みた。複数手法を用いたモデル比較・機械学習における説明変数,学習期間,モデル更新頻度の検討を行い,ラック吸気温度を高精度で推定可能な予測モデルを構築した。また,ラック配置形状の異なる2 つのサーバルームにおいて評価し,何れにおいても高い精度で予測可能なことを確認した。