本報ではまず、既報にて示した空調熱源システムの自動不具合検知診断(AFDD)手法の実証システム構築を報告し、診断結果に基づく設定値変更による省エネルギ ー効果を分析した。次に、本 AFDD 手法のスケーラビリティ向上のため、既報での対象システム用に学習された畳み込みニューラルネットワーク(CNN)や画像認識用の学習済みCNN(VGG-16)に転移学習を適用し、類似システムのBEMS データ診断性能や訓練時の計算時間を検証した。その結果、不具合データの特徴を学習したCNN への転移学習の適用は計算時間を約半分にしながら高い精度を保つ一方で、 VGG-16 への転移学習の適用はBEMS データ診断に課題があることが示された。