本研究では蓄熱槽を有する既存のDHC システムを対象とし、日本市場で想定されるDR 指令に対応するための方法とコストも考慮した実現可能性をシミュレーションにより定量的に示すことを目的とする。そのためにまず、日本における DR市場の状況を整理して対象とするDR指令やコスト条件の想定を明示した。次に下げDRにおける蓄熱槽の活用戦略を提示し、その戦略に基づく夏期・冬期における下げDR のシミュレーションを実施した。想定されるDR 市場とシミュレーション結果を踏まえて下げDRの経済性を評価した。また、現在は制度が検討中であり将来的に必要と考えられる中間期の上げDR についても同様にシミュレーションより評価した。