2023 年 48 巻 314 号 p. 19-28
近年、デマンドレスポンスや不具合検知・診断といった建築設備の高度な運用が期待されている一方、これらに必要な空調システムシミュレーションの構築やデータ分析は手作業に依るところも大きく容易ではない。本研究では Brick Schema を活用し、空調システムシミュレーション構築支援・活用フレームワークを提案する。提案フレームワークの活用例としてまず熱源システムのBrickモデルを構築し、機器オブジェクトの作成や隣接する機器の温度・流量に基づく対象機器の入口温度等の算出を自動化する手法を示した。次に、Brick モデルのグラフ構造を活用したシミュレーション結果の分析がスケーラブルに実行可能であることを示した。