空気調和・衛生工学会 論文集
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分岐管内の流動機構 : 第8報-枝管入口に付与した丸みのエネルギ損失に及ぼす影響に関する数値的研究
嵩 哲夫藤井 清美
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1983 年 8 巻 22 号 p. 97-112

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抄録

枝管入口端に丸みを有する二次元分岐管内の層流における流動機構,特にエネルギ損失の機構を,レイノルズ数R_<1h>が200以下の場合に対して数値的に研究した.表-1に示すような,分岐角度θ_0と面積比mが異なる6種類の分岐管を研究の対象とした.これらの分岐管は,枝管入口上流端ないしは枝管入口上流および下流端に丸みを有するが,前者をwr,後者をwrrと名付ける.また,枝管入口の上流および下流端のいずれにも丸みを有していない分岐管をworと名付け,この場合についても流動機構とエネルギ損失機構を研究した.得られた結果を要約すれば,次のとおりである.1)流線,渦度,速度,ベルヌーイ和,圧力,法線粘性応力およびずり応力,および仕事-エネルギ方程式各項などの物理量を,R_<1h>が70で流量比Q_2/Q_1が0.4の場合の各分岐管に対して求めた.また,2)wr,θ_0=90°でm=1.0の場合に対しては,R_<1h>=20または200でQ_2/Q_1=0.4の場合,およびR_<1h>=70でQ_2/Q_1=0.2または0.8の場合に対しても物理量を求めた.3)仕事-エネルギ方程式各項を断面を横切って積分し,その流路に沿っての変化から流動機構を考察した.4)θ_0,m,R_<1h>およびQ_2/Q_1が変化した場合のwr,wrrおよびworに対するエネルギ損失を検討するため,式(14)および(15)によって新たに定義された枝流および主流におけるエネルギ損失,(ΔDE)_<ml>および(ΔDE)_<st>が計算され,得られた結果を基礎としてエネルギ損失の機構が検討された.5)枝管入口端に付与した丸みがエネルギ損失に及ぼす影響を知るため,式(19)から(22)までによって定義されるworとwrまたはworとwrrの間の枝流または主流におけるエネルギ損失の低減の程度を示す特性量,Δml_r,Δst_r,Δml_<rr>およびΔSt_<rr>を求めた.その結果によると,一般に,これら特性量はR_<1h>が一定であればθ_0,mおよびQ_2/Q_1が増加するほど増大し,また,Q_2/Q_1が一定であればR_<1h>の増加とともに減少する.さらに,R_<1h>が一定の場合,Δml_<rr>とΔml_rはQ_2/Q_1の値が同一であればほぼ同一であるが,Δst_<rr>はQ_2/Q_1が小さいときはΔst_rより若干大きい値となることがわかった.

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© 1983 公益社団法人 空気調和・衛生工学会
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