人間環境学研究
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原著
教師である高次脳機能障害者が行う模擬授業へ作業療法学生が参加した際の効果
鈴木 孝治
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2014 年 12 巻 2 号 p. 177-180

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抄録

日本の作業療法では、高次脳機能障害者である教師の職業復帰のために多数の模擬学生を用いた模擬授業を行った報告はない。36名の4年生の作業療法学科学生を対象に、高次脳機能障害の理解度・興味について調査した。患者は、くも膜下出血後の注意・記憶障害、遂行機能障害の50歳男性の中学校教師である。作業療法で、教師という現職への復帰のために、当該学生が模擬中学生として参加した7回の模擬授業を実施した。分析方法は、作業療法学科学生の高次脳機能障害の理解度・興味に関する変化について、模擬授業実施前後でウィルコクソン検定にて分析した。その結果、作業療法学科学生は、注意・記憶・遂行機能障害の症状を直接観察することで高次脳機能障害のイメージを高められ、理解を深められた。さらには、高次脳機能障害への興味が高まり、作業療法の役割の理解が深まった。正規の時間内での授業ではなかったが、このような形態での教授法の継続に賛同が得られた。OSCEで用いられるような模擬患者ではなく実際の患者と接し、学生自身が患者の職業復帰のための練習に必須の役割を演じた。このような貴重な経験を重ねたことには意義があり、効果的な指導法であると考えられた。

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© 2014 人間環境学研究会
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