抄録
近年,整合か不整合か問題になつている相知・杵島両層群の関係を,主として層厚の変化から検討してみた.
相知層群上部の芳ノ谷層最上部の層厚変化や薄層帯の存在は,従来,唐津炭田全域にわたる芳ノ谷・杵島両層間の不整合をしめすものとされてきた.しかし,芳ノ谷層内部や杵島層にも,これと類似の層厚変化と薄層帯があり,また炭田北部をのぞく地域で不整合をしめす地質的事実が発見さ況ていない現在,炭田全域にわたつて大きな不整合があるとすぐに判断するには,なお多くの問題があると思われる.筆者は,芳ノ谷層上部・最上部・杵島層の各薄層帯で代表される層厚の変化は,主として準積量の地域的な差によるものであり,堆積盆地縁辺部にあたる炭田北部をのぞいて,盆地中心部の炭田中・南部では,両層群の関係は整合的と解釈している.