日本歯科保存学雑誌
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光重合型レジンの屈折率が色に及ぼす影響
安藤 進大城 麻紀大田 舞子宮崎 真至三冨 純一三冨 朝子今井 元
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2008 年 51 巻 3 号 p. 292-298

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抄録

本研究の目的は,光重合型レジンの屈折率がレジンの色に及ぼす影響を検討することである.屈折率の異なる5種類の試作光重合型レジン(松風)を用いてそれぞれのペーストで直径8mm,厚さ1.0mmのディスクを製作した.照射後,ただちに白および黒板背景色上に試片を置き高速分光光度計(CMS-35FS/C,村上色彩技術研究所)で測色した.CIEL*a*b*,色差(ΔE*ab値:Color difference),透明性(TP値:Translucency parameter),不透明性(OP値:Opacity parameter)および分光反射率について検討した.統計処理は,ANOVAおよびDuncanの方法を用いて評価した.その結果,以下の結論を得た.1.試作レジンの屈折率は,L*値,C*値,ΔE*ab値,TP値,OP値および分光反射率に影響を及ぼした.2.試作レジンの屈折率が大きくなるのに伴って,L*値は上昇した.一方,C*値は背景色に影響を受け,試作レジンの屈折率が大きくなるのに伴って,白板上では低下し,黒板上では上昇する傾向を示した.3.ΔE*ab値は,試作レジンの屈折率差が大きくなるにつれて大きくなり,その影響は黒板背景で著明であった.4.硬化後に,マトリクスレジンとフィラーの屈折率差が小さい試作レジンのTP値は,最も高い値を示した.また,試作レジンの屈折率が高くなるのに伴って,低下する傾向が認められた.5.硬化後に,マトリクスレジンとフィラーの屈折率差が大きい試作レジンのOP値は,最も高い値を示した.また,試作レジンの屈折率が高くなるのに伴って,上昇する傾向が認められた.6.試作レジンの屈折率差が大きくなるのに伴って分光反射率は高くなる傾向を示した.また,分光反射曲線の形態は背景色の影響を受け,特に長波長域では白板上で上昇し,黒板上では逆に低下する傾向が認められた.

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© 2008 特定非営利活動法人日本歯科保存学会
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