日本歯科保存学雑誌
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原著
試作オペークレジンの検討 : ジルコニアフィラー充填オペークレジンの積層について
大場 志保福嶋 千春藤田(中島) 光岩井 啓寿壹岐 宏二池見 宅司
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2008 年 51 巻 3 号 p. 308-315

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抄録

近年,窩底部や側壁の着色を遮蔽し,積層されるコンポジットレジンの半透明性をできるだけ損なうことのないオペークレジンが市販されるようになり,より審美的に優れた修復処置が可能となった.オペークレジンに関しては,コンポジットレジンと同様の強度を有し,前述の着色を遮蔽する効果とともに透明性のある物性が求められる.そこで今回は,ジルコニアをフィラーとしたコンポジットレジンの背景色遮蔽効果に着目して,そのオペークレジンとしての適性を調べるとともに,積層されたコンポジットレジンの背景色遮蔽を予測するための基礎的情報を得ることを目的として実験を行った.測色は,接触式三刺激値直読型測色器を採用し,試料のTP値は黒色と白色板を背景として得られたL*a*b*値から算出した.そして,ジルコニアフィラーの充填量と試料厚さの違いによるTP値からオペークレジンの有用性を調べ,市販コンポジットレジン試料を積層した際のTP値を求めた.さらに,それらのTP値から,本オペークレジン試料とコンポジットレジン試料を積層した際のTP値を予測する方法について検討した.その結果,以下の結論を得た.1. 本実験に使用したジルコニアフィラーは背景色遮蔽効果があり,オペークレジンのフィラーとしての適性を有していることが確認された.2. コンポジットレジン自体も背景色遮蔽効果を有しているが,試料厚さ3.0mmにおいても背景色の影響が表れることが示された.なお,顔料によりそのTP値は変化するものと考えられた.3. 本実験条件のコンポジットレジン試料B2とA4において,ジルコニアフィラー充填率6%のオペークレジン試料を1.0mmの厚さとし,コンポジットレジン試料を2.0mmの厚さで積層することで,両者ともTP値2.0以下が得られた.4. オペークレジン試料のTP値,コンポジットレジン試料のTP値ならびに背景色の色差から,積層試料のTP値が予測できる計算式を導き出すことができた.

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© 2008 特定非営利活動法人日本歯科保存学会
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