日本歯科保存学雑誌
Online ISSN : 2188-0808
Print ISSN : 0387-2343
ISSN-L : 0387-2343
原著
重合性基およびフルオロアルキル基含有新規ジクロロシランカップリング剤の接着性
二瓶 智太郎倉田 茂昭大橋 桂森 梨江松沢 征澤 悦夫近藤 行成好野 則夫寺中 敏夫
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 51 巻 6 号 p. 630-638

詳細
抄録

シリカ-レジン界面のポリシロキサン層の接着性を向上させるために,疎水性のフルオロアルキル基と重合性基をもつ新規クロル系シランカップリング剤(MAnF2S2C,n=4,6,8),たとえば3-メタクリロイルオキシプロピル-2-(ペルフルオロブチル)エチルジクロロシラン(MA4F2S2C)と3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(3-MPS)の混合シランの処理効果を調べた.各シラン処理溶液は,MAnF2S2Cを3-MPSに対し,20,40,60,80mol%の割合で混合し,混合したシラン処理溶液の2mass%エタノール溶液として調製した.それら混合シランで処理したガラス面に対するレジンの引張接着強さやガラス面に対する混合レジンモノマー(50%Bis-GMA,50%TEGDMA)の接触角を測定した.その結果,MA4F2S2Cは,3-MPSに20〜40mol%混合のとき,有意に高い接着強さと有意に低い接触角をもつカップリング層の形成に有効であった.

著者関連情報
© 2008 特定非営利活動法人日本歯科保存学会
前の記事 次の記事
feedback
Top