日本歯科保存学雑誌
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原著
ユニット無影灯がコンポジットレジンの操作時間に及ぼす影響
藤林 久仁子湯浅 茂平岩瀬 弘和高水 正明
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2010 年 53 巻 3 号 p. 257-265

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抄録

可視光線重合型のコンポジットレジンが専用の光照射器以外の光でも重合を起こすことはよく知られている.臨床においても,付形に時間がかかる前歯部の大きな充填などの際に問題になることが多い.これは,室内照明や太陽光にコンポジットレジンの感光剤を反応させる波長域の光が含まれていることが原因であるが,特にユニット無影灯はほかの環境光と比較して光強度が著しく高いため,影響は大きいと思われる.本研究の目的は,臨床で使用されているユニット付属の無影灯の光がコンポジットレジンの操作時間に与える影響を確認することである.本学で使用されているユニット付属の無影灯の光学特性を測定し,代表的な無影灯を用いて3種のコンポジットレジンの操作時間の測定を行った.その結果,室内光と比較すると無影灯曝露下ではコンポジットレジンの操作時間は著しく短縮した.

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© 2010 特定非営利活動法人日本歯科保存学会
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