日本歯科保存学雑誌
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原著
難治性根尖性歯周炎に対する水酸化カルシウム製剤「カルビタール®」の有用性
古澤 成博細川 壮平早川 裕記井田 篤吉田 隆渡部 光弘
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2010 年 53 巻 3 号 p. 330-338

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抄録

日常臨床において慢性化膿性根尖性歯周炎と診断された場合,大多数の症例では通法の感染根管治療を行うことにより治癒に向かうことが多い.しかしながら,咬合時痛や打診痛などの症状がなかなか消失せず,いわゆる難治性根尖性歯周炎と診断される場合が少なからず存在する.今回われわれは,水酸化カルシウム製剤「カルビタール®」の根管治療薬としての効果を検討する目的で,開業医にて難治性根尖性歯周炎と診断され,東京歯科大学水道橋病院総合歯科に紹介された症例100例に対して,本剤を2週間から1カ月間隔で根管治療薬として応用し,経過観察を行った.その結果,100例中症状の消失をみたものは91例であり,症状が軽減したものの,消失にはいたらなかった症例が9例であった.そのうち,外科処置に移行した症例が3例,神経因性疼痛と診断された症例は6例であった.すなわち,91%の症例で症状の消失が得られ,本剤の強アルカリ性に由来する創傷治癒作用と,長期応用の結果得られた根管内の環境変化によるものと考えられた.以上から,難治性根尖性歯周炎に対して根管治療(消毒)薬として水酸化カルシウム製剤「カルビタール®」を応用することは,有用性が高いものと思われた.

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© 2010 特定非営利活動法人日本歯科保存学会
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