日本歯科保存学雑誌
Online ISSN : 2188-0808
Print ISSN : 0387-2343
原著
柿タンニン(パンシル®)のメルカプトエタノールに対するin vitroでの消臭効果について
笹本 実鈴木 奈央渡辺 猛力丸 哲也鬼塚 得也永井 淳森 智昌加藤 熈坂上 竜資
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2011 年 54 巻 2 号 p. 97-102

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抄録

口臭の原因物質として口腔内プラークに由来する硫黄化合物があることはよく知られている.現在,種々の口臭抑制剤が市販されているが,それらの口臭抑制効果をin vitroで調査した報告は少ない.そこで今回われわれは,硫黄化合物を揮発させる材料として99.0%メルカプトエタノールに着目し,口臭抑制剤としてカキノキDiospyros kaki Thunbergの果実より得られた柿抽出液にトレハロースを加えて作られた消臭剤「パンシル®」(以下,パンシルと略す)を用いて,in vitroにおける口臭抑制剤の効果を検定する手法を開発した.メルカプトエタノールから揮発したガスを分離したガスクロマトグラフの波形グラフからは,硫化水素,メチルメルカプタン,メルカプトエタノールが検出された.メルカプトエタノールに由来して発生した気体内の硫黄化合物の総量は,蒸留水に混和するパンシルの濃度が増加するに従って減少し,パンシル4%水溶液群では蒸留水でのコントロール群の0.61%となった(p<0.01).パンシルは,メルカプトエタノールに起因する硫黄化合物に由来する臭い物質の発生を強力に抑制することが明らかになった.

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