日本歯科保存学雑誌
Online ISSN : 2188-0808
Print ISSN : 0387-2343
ISSN-L : 0387-2343
原著
光干渉断層画像法(Optical Coherence Tomography)の歯科臨床応用に関する基礎的検討 : ホワイトニング剤が歯質に及ぼす影響
黒川 弘康渡邉 孝行石山 智恵美碓井 貴子藤井 雄介石井 亮清水 裕亮宮崎 真至釜口 昌平三畑 幸則
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 54 巻 4 号 p. 250-258

詳細
抄録

歯質を削除することなく白い歯を獲得できる臨床技法として,生活歯のホワイトニングが広く行われており,過酸化水素を主成分とした各種ホワイトニング剤が使用されている.しかし,ホワイトニング剤の種類によっては,歯質の表層から表層下にかけてなんらかの影響が生じる可能性があるものの,その詳細は不明である.そこで著者らは,オフィスホワイトニング(ホワイトニング)がエナメル質に及ぼす影響について,光干渉断層画像法(OCT)を用いてこれらの断層像を観察するとともに,レーザ顕微鏡を用いて歯質表面を撮影することで比較,検討した.ホワイトニング剤として松風ハイライトを用い,実験期間中37℃の人工唾液あるいは精製水中に保管したウシ下顎前歯唇側エナメル質に対し,製造者指示条件でホワイトニングを行った.ホワイトニングは1週間に1回,4週間行い,毎回のホワイトニング後にOCT装置およびレーザ顕微鏡で観察を行った.また,ホワイトニングを行わず,37℃の人工唾液あるいは精製水中に4週間保管したウシ下顎前歯唇側エナメル質に対しても観察を行った.その結果,以下の結論を得た.1.ホワイトニングを行ったウシエナメル質試片のOCT断層像は,ホワイトニング回数の増加とともに変化が認められた.しかし,その程度はウシエナメル質試片の保管条件によって異なり,人工唾液中に保管した条件と比較して,精製水中に保管した条件で,ウシエナメル質試片表面のシグナルが強くなる傾向を示した.また,レーザ顕微鏡観察においても,人工唾液中に保管した条件と比較して精製水中に保管した条件で,表面粗さが大きくなる傾向を示した.2.ホワイトニングを行わなかったウシエナメル質試片のOCT断層像は,人工唾液中に保管した条件でわずかに歯質表面のシグナルが強くなる傾向を示したものの,精製水中に保管した条件との著明な違いは認められなかった.また,レーザ顕微鏡観察においても,人工唾液中に保管した条件で,わずかに表面が粗糙になる傾向を示したものの,精製水中に保管した条件との違いは認められなかった.

著者関連情報
© 2011 特定非営利活動法人日本歯科保存学会
前の記事 次の記事
feedback
Top